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テキストマイニングの小部屋 第18回「初詣」

2018/01/09

タグ:梶山賢一 初詣 shrine

株式会社ジャパン・マーケティング・エージェンシー
企画部 アシスタント・ディレクター 梶山賢一

みなさま明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

年末年始の過ごし方は、「帰省」「旅行」「家でゆっくり」などさまざまだろうが、初詣に行くという方も多いと思う(筆者も帰省先で行ってきました)。ところでこの初詣だが、ウィキペディアによると、もともとは、大晦日の夜から元日の朝にかけて氏神の社に籠る「年籠り」という習慣であったのが、大晦日の夜の「除夜詣」と元日の朝の「元日詣」との2つに分かれ、元日詣が今の初詣の原形となったとのこと。

「年籠り」形式を踏まず、単に社寺に「元日詣」を行うだけの初詣が習慣化したのは明治中期のことらしく、現在のような形になったのはそれほど古くはないようだが、今では多くの人がお正月に初詣に行き、旧年の感謝とこの1年の幸福を願っている。

今回は、ツイッター上での初詣に関するつぶやきを分析してみた。



<分析対象>
■検索対象:「#初詣」というハッシュタグを持つツイッター。
       ただし、「RT」「bot」などは除外した
■対象期間:2017/12/31〜2018/1/2
■対象件数:14,485件
■分析ソフト:株式会社プラスアルファコンサルティング『見える化エンジン』

<インデックス>
1.日付が変わる前後でツイート数が急増。最もツイート数が多いのは元日の夕方
2.初詣といえば「おみくじ」。「#Shrine」というハッシュタグの使用も
3.ツイート内容は、新年のあいさつや幸福祈願が多い
4.ツイッター上での参拝場所1位は 『明治神宮』



●日付が変わる前後でツイート数が急増。最もツイート数が多いのは元日の夕方
今回の分析では、12/31〜1/2のツイートを対象にしたが、最初に期間中の投稿数の推移を見てみる。図1は、12/31~1/2の投稿数の時系列推移である。

図1 投稿数の時系列推移(12/31〜1/2)
図1.png

やはりというか、新年への日付が変わるタイミングで急激にツイート数が増加し、0時~1時で最初のピークを迎えている。その後明け方にかけて減少するが、元日午前10時ごろには大きく増加し、午後4時前後で件数最大(551件)となっている。午後参拝に行く人が多いということも考えられるが、ツイートの原文を見ると、参拝は午前中でも投稿が午後になったというケースが多いようだった。

また、翌1/2の午後にもピークがあるが、元日ほどではなく、また、件数の総数でも元日の方が多かった。混雑するとはわかっていても、初詣といえばやはり元日に行くという人が多いようだ。

●初詣といえば「おみくじ」。「#Shrine」というハッシュタグの使用も
次に、ワードクラウドで投稿内容のおおまかな内容を見てみる。

図2 ワードクラウド(上位50単語)
図2.png
「#初詣」というハッシュタグがついたツイートなので、「神社」「おみくじ」「大吉」「小吉」など初詣にまつわる単語が見られる。「初詣」を除くと、「神社」の次に多いのが「おみくじ」で、“初詣といえばおみくじ”ということのようだ。吉や小吉よりも大吉のほうが多いのが面白い。
その他、「あける(「あけまして」の意)」「初日の出」「謹賀新年」「戌年」など、いかにもお正月らしい単語も多い。

また、「SHRINE」というちょっと意外な単語も見られるが、原文を見てみると、多くは「#Shrine」というハッシュタグのことだった。

つまり、「#初詣」というハッシュタグとともに「# Shrine」も同時につけられているということだ。また、少数ではあるが、以下のように、ハッシュタグだけでなくツイート本文でもこの単語を使っているケースも見られた。

『地元の神社で初詣。I came to a local shrine for a New Year 's visit.』
『The first shrine visit of the new year 2018』

他のツイート内容やハンドルネームから考えると、上記の投稿者はいずれも日本人と思われるが、英語での読者も意識しての投稿ということだろう。初詣というものは、外国人にも伝えたい日本らしい行事と日本人自身が考えているということかもしれない。


●ツイート内容は、新年のあいさつや幸福祈願が多い
さらに投稿内容を細かく見るため、ツイートの単語同士のつながりをマップ化してみる。

図3 全体マッピング
図3.png

このマップは、関連の強い単語同士がつながり、自動的に島を形成するものである。単語や島の位置に意味はなく、単語のつながりでツイート内容を把握するものだ。

右下には、「初詣」「神社」「お参り」「参拝」など、初詣に関する話題が見られる。その上には、おみくじの話題があり、参拝とセットでおみくじを引いている様子がうかがえる。真ん中の下方には「新年」「あける」「今年」「昨年」「頑張る」など、新年のあいさつと今年の抱負の話題、その上にはよい年になるようにという願いが見られる。

どちらかというと「初詣関連そのまま」という感じではあるが、話題が初詣だと、どうしても似たような内容になってしまうのだろう。


●ツイッター上での参拝場所1位は 『明治神宮』
では、具体的な参拝場所はどこが多かったのだろうか。図4−1は、ツイッター投稿文中に出てきた神社・寺院関連の上位10位のランキングである。

図4−1 神社・寺院 ツイートランキング(上位10位)
図4-1.png
ちなみに、あるホームページによる実際の参拝者数(推計)のランキングは以下のとおり。ただ、ほかにもいろいろなランキングがあるようで、あくまで一例である。

図4−2 神社・寺院 参拝者数ランキング(上位10位)
図4-2.png
出典:「全国の初詣 参拝者数 人出ランキング TOP10」


明治神宮は両方で1位で、参拝者数がそのままツイート数にリンクした形となった。ほかに両方にランクインしているのは、浅草寺、住吉大社、熱田神宮、伏見稲荷大社、川崎大師。また、ツイッターのほうだけランクインしているのは、伊勢神宮、神田明神、八坂神社、護国神社だった。

神社・寺院のツイートランキングは、データの収集期間や収集方法(検索語の指定など)で大きく変わると思われるが、今回の分析に限っていうと、伊勢神宮や神田明神などは、参拝者に対するツイート数が比較的多く、話題にされやすい参拝場所といえそうだ。

参考までに、ツイートランキングの11位〜30位は下記のとおり。みなさんが行かれた場所は入っているだろうか。

図4−3 神社・寺院 ツイートランキング(上位11〜30位)
図4-3.png


●まとめ
以上、初詣に関するツイッターを見てきたが、全体としては、「義務」や「仕方なく」というより「みずから」「積極的に(場合によっては楽しんで)」初詣に行っている印象を受けた。

一方で、(これもウィキペディアの情報だが)株式会社ノーリツが2006年に行った調査によると、初詣に毎年行くと答えた年齢層の割合は70歳以上が59.1%、20歳代では44.4%、20歳未満では75%が「ほとんど行かない」と回答しているそうだ。2006年と少々古いデータではあるが、若い層ほど初詣への関心が低く、いずれ初詣が廃れていくようにも感じられる。

ただ、今回の分析では、日付が変わる前後でツイート数が急増したり、自分が訪れた参拝場所をツイートするなど、初詣が(昔と変わらず)1つのイベントとなっている様子がうかがえた。

今回分析対象としたツイッターの年齢構成は不明だが、ツイッターというメディアが、若い層ほど利用者数・利用割合とも多いことを考えると、今回の分析データに若年層が多数含まれることは間違いなく、若い人たちも積極的に初詣に行っていることが推察される。

ここからは筆者の想像だが、若年層においては、伝統的宗教への関心からというより、いわゆるスピリチュアルなものとして、初詣や、ひいては神社・寺院に関心が寄せられているのではないだろうか。

もっとも、スピリチュアルといっても、あくまでライトで日常的、あるいはそれと特定できない、自分でも自覚していないようなメンタリティーかもしれない。しかし、そのような気分自体は高年齢よりもむしろ若年層で共有されているようにも思われ、その1つの発露として若年層の初詣があるような気がするが、みなさんはどのようにお考えでしょうか。


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