株式会社ジャパン・マーケティング・エージェンシー
GI部 ディレクター インタビュアー 吉田 聖美
GI部 ディレクター インタビュアー 吉田 聖美
先日、実家のある九州に夏休みを利用して2週間ほど滞在していた(させていた?)子どもたちを迎えに羽田空港まで行ってきた。
ちょっと前に到着してしまい、空港内をぶらっとしていると面白いものが!
飲食店の中の1店に、以前からツイッターやニュースで見かけて気になっていた「コカ・コーラフリースタイル自販機」が入っているではないか。
コカ・コーラフリースタイルとは・・・タッチパネルで飲みたいドリンクを選ぶと、さらにフレーバーも選べる、新しいタイプのベンディングマシーン。1台で提供できるメニューは100種類以上、という次世代自動販売機。
とりあえず店内に入って利用することとした。
250円でカップを購入してはみたものの、皆が初めて目にする機械なのに、店員さんの説明もなく、そして自販機の側にも説明らしきものがない。
書いてあるのは「1step.画面にタッチ/2step.レバーを押して氷を入れる/3step.商品を選びフレーバーの種類を決める/4step.PUSHボタンを押し続けて好みの量まで注ぐ」との説明のみ。
かなり不安、と思いつつ、機械の前に立つと・・・あ、なぜかわかる。タッチパネルで進んでいくのだが、パネル上にも説明はない。ただ感覚的に「ここを押すと進むはず、戻りたければここを押せばいいはず」ということがわかるのだ。
考えてみれば、日常でタッチパネルに触れる機会は随分増えている。無意識のうちに蓄積されているタッチパネルのルールに沿った形で設計がされているのだと思う。
子どももスイスイと操作をしていて楽しそうだった。自分がどのボタンを押すかによって、目の前の1つの注ぎ口から出てくるジュースの味が変わってしまう、というのは不思議で楽しい体験であるに違いない。
そして、取り返しが付かない事態を引き起こす可能性があること(氷やジュースが飛び出る)はレバーやボタンを押さないと起こらない、というところも良く考えられていて、さすがと思ってしまった。
商品評価の現場では、きちんと説明を行い、商品特徴を理解した上で使ってもらってこそ、商品の評価に繋がると考え、事細かな商品説明をしてしまう場面も多い。
もちろん、そうあることが必須のカテゴリーもあるが、理解した上でないと商品評価が出来ないかというと、パッケージを見せるなども含め、体験させた方が早いというケースもある。今回の体験で、説明しすぎることは必ずしも親切とは言えず、むしろ驚きを失わせる可能性もある、ということを改めて感じた。
この、コカ・コーラフリースタイル、コーラにライムフレーバーやバニラフレーバーも出来るし、ファンタチェリーなんてものも出来てしまう。フリードリンクなので、何杯飲んでもいいのだが、利用者を見ると飲んでいる味は無色炭酸+レモンやライムといったどちらかというと無難な組合せがほとんど。もしかしたら、日本において必要な説明は「○○味と○○味は面白い」といったお薦めの組み合わせ提案なのかもしれない。