株式会社ジャパン・マーケティング・エージェンシー
GI部 ディレクター インタビュアー 梅津 順江(ウメヅ ユキエ)
昨年は、従来の定性調査(グループインタビューやデプスインタビュー)だけでなく、MROCにも数多く携わらせていただきました。今年も引き続き、よろしくお願いいたします。
MROC(Market Research Online Communities)との違いは何ですか?」
この質問を、よく受ける。
それに対して、教科書的に「グループインタビューは仮説検証型で、MROCは課題発見型。MROCは、双方向コミュニティーの場なので、関係が構築できれば、自然に起こる会話や刺激から思いもよらぬ潜在的な気づきや発見が得られる可能性がある」と、答えてきた。
これは、オンライン定性リサーチ全般に共通して言えることなので、間違いではない。が、MROCのコミュニティーマネージャー(モデレーター)の実践を積むにつれて、しっくりしない感覚に陥っている。
もちろん、現段階では「MROCを試動したい」ということが受注案件の多くの調査目的であるため、2週間前後の短期間での実施にならざるを得ないことに加えて、アドホック的な問題解決型のテーマが多いため、MROC本来の価値が発揮できないことにも起因していると思うが、それだけであろうか。
そのモヤモヤを解決するヒントが、企業コミュニティー運営の先駆者である武田 隆氏の【ソーシャルメディア進化論】の著書と、参加した講演の中にあった。
武田氏は、リアルのグループインタビューとMROCとの違いについて、
MROCは「デプスインタビューの集合」であり、そのグループダイナミクスは、参加者が他者の発言を参照にしつつ行う「自分自身との対話」に現れると説明。それを「静寂の中で生まれるグループダイナミクス」と表現されていた。
というのも、MROCにおいて、生活の様子などのパートでは参加者同士のコミュニティーが生じているのだが、実態や評価のパートではグループダイナミクスが見えにくく、どうしても1対1になってしまうことを実感していたからである。
確かに、グループインタビューでは「ノリで喋ったけど、本当にそう思っていたかなぁ?まっ、いいか」ということが生じやすい。また影響力の強い対象者がいた場合、その意見に流されやすいというデメリットもある。
MROCは「静寂の対話の中で生まれるグループダイナミクス」という感覚であろうか。


