株式会社ジャパン・マーケティング・エージェンシー
代表取締役社長 澁野 一彦
日本中に草食系が増殖する中で、あえてシニアは"肉食系"を目指す。
| 高齢者こそ「肉食」のススメ。中高年にとって、肉を食べるのは肥満の原因といわれてきた。しかし、食が細くなりがちな高齢者は意識して肉を食べるようにした方がよい。転倒による骨折や貧血などを防げる。老化を遅らせる効果も期待でき、専門家は「毎日食べてほしい」と話す。 (東京都健康長寿センター研究所) |
20年前に大ブレイクをした双子のおばあちゃん「きんさん・ぎんさん」の妹ぎんさんの娘さん4姉妹の話である。最年長の長女年子さんが98歳、三女千多代さんが93歳、四女百合子さんが91歳、五女美根代さんが88歳というご長寿4姉妹。
お肉がたっぷりはいった肉じゃが・サラダ・白米・きゅうりの酢の物・唐揚げ(929kcal)、お肉は牛肉と豚肉を両方使っている。長女の年子さんは大のお肉好きで、逆に野菜は大嫌い。肉好きの長女と暮らすようになって9年の三女は、長女と一緒に暮らす前、1人暮らしをしていて体が弱っていた。しかし一緒に暮らすようになり肉好きの長女に合わせ肉をたくさん食べるようになってから、とても元気になったそうだ。
同番組では保健医療学の専門家による次のような談話を紹介している。
野菜は体に必要だが、肉ほど絶対的な必要食ではない。極端に言うと肉だけでも生きられるが野菜だけでは生きられない。また、肉の脂肪に含まれるコレステロールはある程度高めが良いとも指摘。健康に対する悪の象徴のように言われている「コレステロール」を擁護?している。
脂肪に含まれるコレステロールは、適量なら血管を丈夫にし、脳卒中を防止する効果があるとの報告もある。
前出の日経の記事では、高齢者の健康長寿のために「たんぱく質の必要性」と「肉食の効用」を説いている。
人間の筋肉や内臓などを作るたんぱく質は20種類のアミノ酸からできている。トリプトファンやリジン、バリン、メチオニンなど9種類の「必須アミノ酸」は体内では合成できず、食事で補うしかない。肉は魚介類とともに必須アミノ酸をバランスよく含んでいる。一方、植物性食品は大豆を除いて含有量が少ない。
上回るという。
特にたんぱく質が不足すると、足腰の筋力が低下し、転倒しやすくなる。高齢者の弱った骨は折れる危険性も高く、寝たきりになってしまう。病原体などから身を守る免疫機能も低下しがちだ。
肉には、筋力の低下を防止、動物性たんぱく質で免疫力を高め、がん細胞を退治する等の効果もあるそうだ。
・筋力低下を防ぐ
→適度な運動と組み合わせると、足腰の筋肉を維持できる
・貧血防止
→レバーなどに含まれる鉄は植物よりも吸収されやすい
・血圧を下げる
→必須アミノ酸のメチオニンは血圧の上昇を抑える
・免疫力向上
→動物性たんぱく質は免疫力を高め、特にがん細胞などを殺すナチュラルキラー細胞の働きを高める
・うつ の予防
→不足するとうつ状態になるとされる脳内物質セロトニンは必須アミノ酸のトリプトファンから作られる
では、どれくらいの量を食べればよいのか。厚生労働省は大人が1日に摂取するたんぱく質の目安を男性60グラム、女性同50グラムに設定している。肉100グラムだととりすぎのような気がするが、たんぱく質の量
その2〜3割ほど。高齢者は吸収効率が落ちており、多少多めに食べた方がよいという。
ぎんさん娘さん姉妹の「肉じゃが」もシニアにとっては最適の肉食メニューといえる。
一人暮らしだと食事をつくるのが面倒で弁当などで済ますという人も多い。家族や仲間が集まって一緒に食材の買い物や料理をすると、食が進みやすいという。楽しく量を食べるために会食の機会を増やすことも大切だ。
「共食(友食い)」とは、単に誰かと一緒に食事をするだけに留まらず、食に関する様々な行動(食行動)を共有することまで含む。
このような取り組みは、沈みがちなシニアを活気づけ、健康(元気)で社会的に活動することに繋がっていく。
シニアへの「共食」の機会の提供と「肉食」の正しい啓蒙は新たな食ビジネスの可能性を広げる切り口になる。


