株式会社ジャパン・マーケティング・エージェンシー
企画部 シニアディレクター インタビュアー 梅津 順江(ウメヅ ユキエ)
この口伝は、リサーチ業界に入ると基礎段階で誰もが学ぶことのひとつではないだろうか。
リサーチ以外の領域においても、「あの人の意見にはバイアスがかかっている」と思い込みや思想から意見が偏っていることに用いられたり、「きっと大丈夫。やがて収まるだろう」と地震やテロなどの不測の事態に理性的抑制が働き、慌てないようにとした結果、被害が甚大化したり、というケースがあるようだ。
本当の意味での情報伝達の把握はできないのではないか」
「ブランドファンを用いてオープン型のコミュニティを行う数千規模のコミュニティ・パネル
(Community Panel)では、ブランドバイアスが掛り、気持ちやロイヤリティを
(Community Panel)では、ブランドバイアスが掛り、気持ちやロイヤリティを
コントロールしてしまうのではないか」
筆者は、「"バイアス"が起こるのではないか」というこれらの懸念に、2つの答えを用意している。
1つは、ビジョン・クリティカル(Vision Critical)社のレイ・ポインター氏も言っているように、「All Research is subject to bias(全てのリサーチは"バイアス"を受ける。バイアスが掛らないリサーチはない)」という解である。
"バイアス"が掛るのは、MROCに限ったことではない。どんな調査であっても多少なりとも、"バイアス"は生じるのだ。
意識や行動は常に変化しているため、完全に正確な調査結果や測定結果というものは存在しないし、誤差や偏りが含まれるのが当然のことなので、"バイアス"は完全に排除することはできないのである。
もう1つは、「"態度変容"がより浮彫りになったり、情報伝播の流れや広がりが見えるのは長期MROCのメリットと捉えている」という答え。変化やきっかけが見えることこそ、利点であるという考えである。
長期化すればするほど、生活者の行動や意識変化が起こる。そこから"態度変容"の要因を見出したり、誰がどのように発した情報がどんな者に影響を与えたか、という情報伝播の流れを広範囲にみることができるのだ。
また、行動・意識の変化パターンの抽出やブランドスイッチが把握できることは、ブランド再構築の手がかりになったり、影響を及ぼしたワード発見はコミュニケーションのアイデアに直結する。
全ての調査に共通することだが、"バイアス"を一様に排除するのではなく、どのように向き合っていくかが大事なのではないかと思う。
「一定の条件で評価を行いたいのか」それとも「態度変容を見たいのか」といった実施目的を明らかにした上で、「"バイアス"の性質をよく理解し、あらかじめ予測される誤差や"バイアス"は何なのかをわきまえておく」「どのように調査/測定するのかを明らかにする」ことが重要ということなのではないか。
意識や行動は常に変化しているため、完全に正確な調査結果や測定結果というものは存在しないし、誤差や偏りが含まれるのが当然のことなので、"バイアス"は完全に排除することはできないのである。
長期化すればするほど、生活者の行動や意識変化が起こる。そこから"態度変容"の要因を見出したり、誰がどのように発した情報がどんな者に影響を与えたか、という情報伝播の流れを広範囲にみることができるのだ。
「一定の条件で評価を行いたいのか」それとも「態度変容を見たいのか」といった実施目的を明らかにした上で、「"バイアス"の性質をよく理解し、あらかじめ予測される誤差や"バイアス"は何なのかをわきまえておく」「どのように調査/測定するのかを明らかにする」ことが重要ということなのではないか。


