株式会社ジャパン・マーケティング・エージェンシー
定性調査部 ディレクター インタビュアー 吉田 聖美
お笑いコンビが流行らせた時代もあった「あるある」ですが、最近目にする機会が多い気がします。
この「あるある」、「共感」と「発見」といった人間が求める価値を満たしているので、すたれないのでしょうね。
「あるある」ネタに「そうそう」と「共感する」ことで、共感する土壌を持っている人同士が連帯感を強める。加えて、「言われてみればそうだね」と「ちょっとした発見」を経験することで、聞いた側は「感情の上昇」を感じ、言った側は「ちょっとした優越感」を確認する、といった流れもある気がします。
「あるある」こそ定性的な感覚なので、必ずしもそうとは言えませんが、社会人を対象とするのであれば休日の方が感度が良い人が集まる場合が多く、同じくらいの感度だとしても仕事が終わった後という疲労感がないので発言が活発な場合が多いです。
実はこの「GIあるある」、まだまだ他にもネタがあり、社内では発表の機会を設けたのですが、クライアントの皆様にお見せできるものもありますので、もしご興味があればお問い合わせを。
そして、知見を形にするプロジェクトとしてのもう1つの大きな取り組みが「感度指標の明確化」。「高感度」「感度が良い・悪い」という言葉、当たり前のように使っているけれども、一般的ではない言葉の1つのような気がします。
感度とは「他からの刺激に対する敏感度」と言い換えられるでしょうか?
生活上では、「情報に対する敏感度」であり、グループインタビュー上では、それに加え、モデレーターの質問に対する敏感度」も求められます。
知識が豊富で生活上手な人であっても、グループインタビュー時は質問の意図を読み取り、即座に回答ができなければ感度が良いという話にはならなかったりします(というよりも、感度の良さが伝わらない?)。JMAが考える「高感度指標とはこういうものです」、「こういうときには高感度指標を付けた方が良いです」という指針を作りたいと考え、こちらのプロジェクトも今進めているところです。
定性調査の知見は、どちらかというと職人技のようなところがあり、はっきりと文書化できない要素もあります。また、そこが定性調査の面白みでもあります。
しかし、そこを投げ出さず、定性的・感覚的な内容を理論だてて説明することで、「あるある」まではいかなくても「なるほど」と思っていただける機会や相手を増やしていきたいというのが今の思いです。何となく定性調査って良く分からない、とっつきにくい、と思っている人に定性調査の面白さを感じるきっかけを提供したい。「共感性」に頼らない定性調査の面白さやノウハウの伝達を目指していきたいと思っています。
感度とは「他からの刺激に対する敏感度」と言い換えられるでしょうか?
生活上では、「情報に対する敏感度」であり、グループインタビュー上では、それに加え、モデレーターの質問に対する敏感度」も求められます。