株式会社ジャパン・マーケティング・エージェンシー
企画部 ディレクター 牛堂雅文
近年、こういった問いかけを見かけることが増えてきています。
2013年11月29日に開催された「JMRAアニュアルカンファレンス」では、「統計学が最強の学問である」(ダイヤモンド社)の著者:西内啓氏の基調講演がありました。
従来型のマーケティングリサーチでは、「仮説構築」が推奨されており、それが支持されたのか、棄却されたのか?といった観点でリサーチが設計されることが多くなっています。いわゆる【仮説検証型】と言われるリサーチです。
もう少し踏み込んで考えますと、何の仮説もイメージもなく調査や分析をすることは稀で、何も仮説がないのにリサーチに何十万、何百万円というコストは中々かけられません。実際にはモヤッとしつつも、仮説やイメージがあるのが本音ではないでしょうか。
つまり、【探索型】と言っている調査では仮説がないというよりは、仮説のシャープさ、具体度が低いケースが多いと感じます。
「発見・気づき」につながりそうなことが、「例外、異常値扱い」「無理なこと」とされてしまい、視野に入らなくなる…と言えば、共感して頂けるでしょうか。今では常識ですが、「夏におでん」、「冬にアイス」を販売することも、かつては常識はずれな行為でした。
「一見突拍子もなく思えることにも意味はあり、ヒントになる可能性がある…常識というフィルターで早期に否定しないこと」が本質ではないかと考えています。
では、結局「仮説ありが良いのか、なしが良いのか?」という話に戻りますと、「仮説なしで何かに取り組むことはあまりないので、結局仮説は作る。しかし、それだけに固執せず、新しい発見・常識外の発想などを取りいれること」が正解ではないかと感じています。